情報やモノが溢れる社会において、
私たちはどんな「ものづくり」に出会った時、感動するのだろう。
それは、自分の思い描いた以上の仕上がりを手にした時
それは、真剣に制作に向き合う人の目を見た時
それは、手にしたものが誰かの想いと時間の宿ったものだと知った時
ものづくりに関わっていて思うことは、
ものを「つくるということ」は、どれだけの資源・人・技術・作業工程が重なり合ってできるかの価値の大きさです。
しかし、モノが溢れる時代では、どんなに一生懸命考え、
向き合い作り上げたものでも、
世の中のプロダクトのほとんどは「つくること」への価値が
正当には与えられていないのが現実です。
日々着用する衣服も、その技術や制作工程の価値が失われ、
技術者への正当な対価なく販売・消費されています。
私たちは、そのような現代の縫製業界と
モノを受け取る社会との構造を変えたい。
手に取っていただく方々に、
「つくる背景」の視点をひとつ加えてもらいたい。
だからこそ、
皆で作り上げる「共創」のものづくりを大切にし、
地域資源や伝統工芸との「共生」を目指しながら
縫製の技術で人生が「自立」していくことに誇らしさを持てる手仕事を行います。
地域のものづくりの力を、信じたい。
ものをつくることに、尊厳を持ち続けたい。
ものをつくりたい人を、応援したい。
このファクトリーの挑戦に共感し、ものをつくるという仕事に喜びと可能性を見出そうとする輪が、少しずつでも広がることを願っています。